お腹が張る(腹部膨満感)の5つの原因とは?|お腹のガスを減らす方法

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「お腹がパンパンに張って苦しい」

「お腹がゴロゴロ、ボコボコ鳴って、おならがよく出る」

「食後や寝ているときにお腹が張って、不快感や痛みを感じる」

このような「お腹の張り」に悩んでいる人は少なくありません。

お腹が張ると「ガスがたまっているのかな?」と考えがちですが、お腹の張りは必ずしも腸内のガスが多いことだけで起こるわけではありません。

近年では、腸内のガスだけでなく、腸の動き、腸が刺激を感じる敏感さ、横隔膜と腹壁の動きなど、さまざまな要因が関係していることがわかってきています。2025年のESNM(European Society of Neurogastroenterology and Motility)とUEG(United European Gastroenterology)の欧州コンセンサスでも、機能性の腹部膨満感・腹部膨隆には、内臓知覚過敏、腹部と横隔膜の協調の問題、腸管運動、腸内環境など複数の要因が関係すると整理されています。

今回は、お腹が張る原因と、ガスとの関係、過敏性腸症候群(IBS)、食事との関係、受診した方がよい症状について紹介します。

■「お腹が張る」には2つの意味がある

まず知っておきたいのは、「お腹が張る」という症状には、大きく分けて

・腹部膨満感(bloating)
・腹部膨隆(distension)

があることです。

腹部膨満感とは、「お腹がいっぱい」「張って苦しい」と感じる主観的な症状です。

一方、腹部膨隆とは、実際にお腹の周囲が大きくなる状態を指します。

この2つは同じものではありません。

米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK)は、腹部膨満感がある人すべてに腹部膨隆があるわけではないと説明しています。

つまり、「お腹がものすごく張っている感じがする=腸の中に大量のガスがたまっている」とは限らないのです。

■お腹が張る主な原因

お腹の張りにはさまざまな原因があります。

ここでは大きく5つに分けて考えてみます。

1.飲み込んだ空気や腸内で作られるガス

消化管のガスには、大きく分けて、

・口から飲み込んだ空気
・腸内細菌が未消化の炭水化物を分解するときに発生するガス

があります。

NIDDKによると、食べたり飲んだりするときには誰でも少量の空気を飲み込んでいます。

特に、

・早食い
・ガムをかむ
・飴をなめる
・炭酸飲料を飲む

などは、より多くの空気を飲み込む原因になります。

また、小腸で十分に消化・吸収されなかった炭水化物が大腸まで届くと、腸内細菌によって分解され、その過程でガスが発生します。

そのため、食べたものによって、

「ゴロゴロする」

「ボコボコ動く感じがする」

「おならが増える」

「お腹が張る」

といった症状が起こることがあります。

2.便秘や腸の動きの問題

便秘があると、お腹の張りを感じることがあります。

便秘というと「何日も便が出ない状態」をイメージするかもしれませんが、排便回数だけでなく、

・便が硬い
・排便しづらい
・残便感がある

といった症状も重要です。

また、お腹の張りには腸管の動きやガスの移動の仕方が関係する場合があります。

2025年の欧州コンセンサスでも、機能性腹部膨満感・腹部膨隆には腸管運動の異常が関係する場合があるとされています。

3.腸が刺激を敏感に感じている

ここは近年のお腹の張りを理解するうえで重要なポイントです。

腸内のガスが特別に多くなくても、お腹が張って苦しく感じることがあります。

その一つとして考えられているのが「内臓知覚過敏」です。

腸の中で起きている刺激を通常より強く感じることで、膨満感や不快感として認識されることがあります。

2025年の欧州コンセンサスでは、内臓知覚過敏は機能性腹部膨満感・腹部膨隆に関係するメカニズムの一つとして位置づけられています。

つまり、ガスの「量」だけではなく、腸がそれを「どう感じるか」も、お腹の張りに関係している可能性があるわけです。

4.過敏性腸症候群(IBS)など「脳と腸の相互作用」が関係する病気

お腹の張りがよくみられる病気の一つが**過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)**です。

IBSでは、繰り返す腹痛とともに、

・下痢
・便秘
・便の状態の変化

などがみられます。

腹部膨満感もよくみられる症状ですが、お腹が張るだけでIBSと判断できるわけではありません。

米国消化器病学会(ACG)のガイドラインでは、IBSは腸と脳の相互作用に関係する疾患として扱われ、Rome IV基準を用いて診断します。腹部膨満感はよくみられるものの、診断に必須の症状ではありません。

また、上腹部の膨満感や食後の不快感については、機能性ディスペプシアなど別の疾患が関係している場合もあります。

そのため、「ガスが多いからIBSだ」と自己判断するのではなく、腹痛や便通の変化なども含めて考える必要があります。

5.病気によってお腹が膨らんでいる

お腹が大きくなる原因が、腸内のガスや機能性の症状とは限りません。

腹水などの器質的な原因でも腹部が膨らむ場合があります。

2025年の欧州コンセンサスでも、機能性腹部膨満感・腹部膨隆を診断するときには、病歴、身体診察、警告症状などを確認し、器質的な病気を考慮することが重要とされています。

特に、それまでなかった症状が突然現れた場合や、症状が次第に強くなっている場合には注意が必要です。

■お腹の張りとFODMAPの関係

「特定のものを食べるとお腹が張る」

「食後しばらくするとガスが増える」

という場合には、食事が関係している可能性があります。

その一つとして研究されているのがFODMAP(フォドマップ)です。

FODMAPとは、Fermentable Oligosaccharides, Disaccharides, Monosaccharides And Polyolsの頭文字をとったもので、腸で吸収されにくく、発酵しやすい特定の糖質をまとめた呼び方です。

ACGのIBS診療ガイドラインでは、IBSの全般的な症状を改善する方法として、期間を限定した低FODMAP食の試行が推奨されています。

ただし、ここで大切なのは、「高FODMAP食品をずっと食べてはいけない」という意味ではないということです。

■低FODMAP食は「一生避ける食事」ではない

Monash Universityでは、低FODMAP食を3段階で行う方法を提唱しています。

STEP1 低FODMAP食

高FODMAP食品を低FODMAP食品に置き換えて、症状の変化を確認します。

Monash Universityは、この段階について2~6週間を目安としています。

STEP2 再導入

症状が改善した場合、FODMAPを含む食品を一種類ずつ再導入し、自分がどのFODMAPに反応するかを確認します。

STEP3 個別化

問題なく食べられる食品は食事に戻し、症状を引き起こすものだけを必要な範囲で調整します。目標は、長期的に必要以上の食事制限をしないことです。

つまり、

制限 → 再導入 → 自分に合った食事へ

というのが基本的な考え方です。

また、Monash Universityは、農産物ではFODMAP含有量が変動することがあり、再検査によって食品情報が更新される場合があることも説明しています。

そのため、「この食品は高FODMAPだから絶対に食べてはいけない」と固定的に考えるのではなく、自分が何をどの程度食べると症状が出るのかを確認することが重要です。

低FODMAP食に取り組む場合は、可能であれば消化器疾患の食事指導に詳しい医師や管理栄養士などに相談するとよいでしょう。

■お腹のガスや張りを減らすには?

原因によって対策は異なりますが、日常生活ではまず次のような点を確認してみましょう。

1.早食いを避ける

食べたり飲んだりするときには空気も飲み込みます。

NIDDKは、早食い・ガム・飴・炭酸飲料などを、空気を多く飲み込む要因として挙げています。

普段から早食いをしている人は、少しゆっくり食べることを意識してみましょう。

2.炭酸飲料やガムなどを見直す

ガス症状が気になる場合には、

炭酸飲料
ガム
飴

などを多く摂っていないか確認してみましょう。

3.便秘がある場合は放置しない

張りだけを見るのではなく、

排便回数
便の硬さ
下痢または便秘
残便感
腹痛

なども合わせて確認することが大切です。

4.食事と症状を記録してみる

「何を食べた日に症状が出たか」がわからない場合には、

食べたもの → 時間 → お腹の張り → ガス → 腹痛 → 便の状態

を記録してみる方法があります。

特定の食品を食べた日に繰り返し症状が出る場合、医療機関で相談するときの情報にもなります。

ただし、一度症状が出ただけで「この食品が原因」と決めつけないことも重要です。

■「寝ている間にお腹がボコボコする」「おならがたくさん出る」のは?

夜や寝ている間に、

・お腹がボコボコ・ゴロゴロする
・おならが何度も出る
・お腹が張って苦しい
・鈍い痛みがある

といった症状が起こる場合もあります。

腸内ガスは、飲み込んだ空気や、大腸の細菌が未消化の炭水化物を分解することなどによって生じます。

そのため食事との関係を調べるのであれば、夕食の内容・食べた時間・就寝時間・症状が起きた時間・便の状態を記録してみると、医師に相談する際の参考になります。

ただし、夜にお腹が張る原因は食事やガスだけとは限りません。

夜間に症状を繰り返す場合、痛みを伴う場合、睡眠を妨げるほどつらい場合などは、自己判断で「ガスがたまっているだけ」と考えず、消化器内科などの医療機関で相談しましょう。

■こんな場合は医療機関へ

ガスやお腹の張りは珍しい症状ではありません。

しかしNIDDKでは、ガス症状に悩んでいる場合、症状が突然変化した場合、腹痛、便秘、下痢、体重減少などを伴う場合には医師へ相談するよう案内しています。

特に、

・強い腹痛がある
・お腹の張りや痛みが繰り返す
・症状が突然変化した
・便秘や下痢を伴う
・原因不明の体重減少がある
・日常生活や睡眠に影響するほどつらい

といった場合には、単なる「ガス」と自己判断せず医療機関に相談してください。

■まとめ

お腹が張ると「ガスがたまっている」と考えてしまいがちですが、現在では腹部膨満感や腹部膨隆には複数のメカニズムが関係していると考えられています。

主なものとして、

・飲み込んだ空気
・腸内細菌による炭水化物の発酵
・便秘や腸管運動
・内臓知覚過敏
・IBSなどの脳と腸の相互作用に関係する疾患
・その他の器質的疾患

などがあります。

そして大切なのは、「張っている=ガスが多い」とは限らないことです。

食事を見直す場合も、「ガスが出そうなものをすべて禁止する」という考え方ではなく、何を食べたときにどのような症状が現れるのかを確認していくことが重要です。

IBSでは低FODMAP食が選択肢になることがありますが、低FODMAP食についても、単純な長期制限ではなく、低FODMAPへの置き換え→再導入→個別化という段階的な方法が基本です。

症状が続く場合や、腹痛、便秘、下痢、体重減少などを伴う場合には、消化器内科などの医療機関に相談しましょう。

【更新履歴】

2026年11月更新

医学情報の更新に伴い、記事内容を全面的に見直しました。

主な変更点は、

腹部膨満感(bloating)と腹部膨隆(distension)を区別
「お腹の張り=ガスが多い」とは限らないことを追加
内臓知覚過敏など最新の病態理解を追加
IBSについて現在の診療ガイドラインに沿って修正
低FODMAP食を「制限・再導入・個別化」の段階的な方法へ修正
食品の一律な制限につながる表現を見直し
根拠が十分確認できなかった「大蠕動200倍」などの記述を削除
受診の目安を追加

参考:米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK)、American College of Gastroenterology(ACG)、2025 ESNM/UEG European Consensus、Monash University FODMAP Diet。

【過去記事】

男性の中には、「お腹が張る(お腹の張り)」の原因について悩んでいる人が多いようです。

お腹が張る(腹部膨満感)の5つの原因やお腹のガスを減らす方法についてまとめました。

【目次】

■おなかが張る(腹部膨満感)の5つの原因

《おなかが張る》ストレスも原因

(2015/12/14、朝日新聞)

お腹の不調の中には、「お腹が張る(腹部膨満感)」という症状がありますが、鳥居内科クリニックの鳥居明院長によれば、その原因としては次のものが挙げられます。

1.胃や腸にガスがたまる

ガスが溜まることによって、お腹が張る場合には、食事するときに空気を飲み込む呑気症や便秘によるガスだまりが考えられるそうです。

●腸内にたまるガスのもと1.口から飲み込んだ空気

おなかの張り・ガス、抑えたい 糖質の種類で改善も

(2016/12/10、日本経済新聞)

お腹の張りの原因の半分が口から飲み込んだ空気(窒素ガス)で、早食いの人やストレスで奥歯をかみしめる人は、空気を飲み込む量が増えやすいそうです。

そうした空気を外に出す手段であるげっぷを我慢するとお腹の張りの原因となってしまうので我慢しない方がよいようです。

●腸内にたまるガスのもと2.腸内のガス

ガス(おなら)を出して大ぜん動を促して便秘解消!うつ伏せゴロゴロ寝運動のやり方|#ガッテン(#NHK)によれば、健康な大腸の人はおならが1日に数回出るのですが、便秘の人はおならが出ないそうです。

そのために便秘の人はガスが出ないためにおなかが張ってしまい大蠕動が起こらなくなります。

大蠕動が起こらなくなると、腸内細菌がガスを発生させてガスがたまることによりおなかが張って、ますます大蠕動が起こらなくなってしまうのです。

【ぜんどう運動と大蠕動の違い】

  • ぜん動運動とは、大腸の壁から栄養や水分を吸収するために食べ物を動かす運動で、大腸にある内容物はゆっくりとしか動きません。
  • 大蠕動は、通常のぜん動運動と比べて200倍のスピードで一気に直腸まで運んでくれるそうです。
    しかし、大蠕動は副交感神経が優位の時しか起こらず、緊張しているときなど交感神経が優位の時には大蠕動は起こらないそうです。
    しっかり眠れていないときにも大蠕動は起きないので、しっかり寝ることも便秘対策には重要なのです。

また、そのおなかの痛み(腹痛)、腸閉塞かも?便秘が原因で腸閉塞になることがある!?によれば、慢性的に便秘の症状がある方は、おなかの張りがあるかと思いますが、おなかの張りに加えて、激しい痛みがある場合には、腸閉塞になっている恐れがあります。

腸が動かなくなることによって、便やガスなどが排泄されず、腸がふさがってしまう病気が腸閉塞です。

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2.おなかに液体がたまる腹水

腹水とは、臓器と臓器の隙間にある腹腔(ふくくう)に血管やリンパから染み出したタンパク質や電解質といった栄養分を含んだ体液が通常よりもたまった状態です。

肝臓で作られる血液中の「アルブミン」というたんぱく質には、血液中の水分を一定に保つ役割があるのですが、肝機能が低下すると、アルブミンの量が減ることで、浸透圧が下がり、血管から水分が出ていってしまい、腹水やむくみが起こります。

また、肝臓の病気に関していえば、肝硬変になると、肝臓が硬くなることによって、門脈の血流を受け入れられなくなり、静脈から血液中の血球以外の成分(獎液)が漏れ出て、腹水がたまってしまいます。

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3.腹部の腫瘍(しゅよう)

卵巣腫瘍によって、腹部膨満感(おなかの張り)があることがあるそうです。

また、最近では、ストレスによって、胃や腸に機能障害が起こることが分かってきています。

胃の場合は「機能性ディスペプシア」で、腸の場合は「過敏性腸症候群」です。

4.機能性ディスペプシア

食後の胃痛・胃もたれはもしかすると「機能性ディスペプシア」かもしれません

1.食後のつらい胃もたれ感

2.すぐおなかいっぱいになる早期満腹感

3.みぞおちの差し込むような痛みや、焼ける感じ

3つの症状のうち一つ以上の症状が半年以上前から始まり、その症状が3か月以上続いていて、かつ胃がんや胃潰瘍など明らかな病変がない場合、「機能性ディスペプシア」と診断されるそうです。

5.過敏性腸症候群(IBS)

過敏性腸症候群(IBS)は、大腸や小腸に原因となる異常が見られないが、腹痛などの腹部症状に下痢や便秘といった便通異常を伴う疾患です。

過敏性腸症候群(IBS)の症状の中には、ガス(おなら・ゲップ)があり、おなかの張りという症状が現れることがあります

→ 過敏性腸症候群(IBS)の症状・原因・チェック・治し方 について詳しくはこちら

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■お腹のガスを減らす方法

●早食いの人は空気を飲み込む量が多いので、よく噛んで食べるようにしましょう。

●げっぷは、空気を外に出す手段なので、我慢しないようにしましょう。

●ガスを発生する食品を控えるようにしましょう。

■「低FODMAP(フォドマップ)食」

おなかの張り・ガス、抑えたい 糖質の種類で改善も

(2016/12/10、日本経済新聞)

ガスや腹痛、下痢などの原因になる特定の糖質を控える「低FODMAP(フォドマップ)食」が注目されています。

「発酵性のオリゴ糖」「二糖類」「単糖類」「ポリオール類」という糖質は小腸で吸収されにくく、小腸内での糖質の濃度が上がると水分が小腸内に引き込まれるため、お腹の不調が起こるそうです。

また、小腸で吸収されないものが大腸に移動して腸内細菌のエサとなり、分解する過程で多量の水素ガスが発生して、お腹の張りやおなら(ガス)が増えてしまうそうです。

「低FODMAP(Fermentable、Oligo-、Di-、Mono-saccaharides and Polyols:フォドマップ)食」では、FODMAPの食品を最小限のものにして、少しずつ摂取していき、おなかの不調の原因となる食品を見分けていきます。

つらいおなかの悩みを救う「低FODMAP」食事療法って?

(2016/12/10、Newsweek)

ミシガン大学の研究によれば、低FODMAP食によって、過敏性腸症候群(IBS)患者の50%以上でIBSに関連した腹痛の症状の改善が見られ、6週間の食事療法で61%の患者のQOLが改善したそうです。

【参考リンク(論文・エビデンス)】

「低FODMAP食」ではどのような食事を避ける必要があるのでしょうか?

●フルクタン・ガラクタン

小麦、ライ麦、大麦、玉ねぎ、にんにく、イヌリン、チコリの根、マメ科に属する植物のほとんど、アーティチョーク、豆乳、ライスミルク、ココナッツミルク

●ラクトース

牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム、チーズ(カッテージチーズ、リコッタチーズ)

●フルクトース

コーンシロップ、はちみつ、アガベ、リンゴや梨(西洋なし)、すいかなどの果物

●ポリオール

堅い核のある果物(桃、プラム、さくらんぼ)、マッシュルーム、カリフラワー、シュガーレスガム・キャンディー

【参考リンク】

●ゴロゴロ寝転んで、ガスを移動させましょう。

ガス(おなら)を出して大ぜん動を促して便秘解消!うつ伏せゴロゴロ寝運動のやり方|#ガッテン(#NHK)

  1. 夜寝る前に、おなかのあたりに枕やクッション・座布団を敷いて、うつぶせの状態になり、この姿勢のまま10分間動かずにじっとします。
  2. 次に、体を左右にゴロゴロ転がします(5往復)。

※食後2,3時間は避けたほうが良いそうです。

■ここ15年で胃腸の病気に変化が見られる?

大きな要因は胃の中にいる細菌、ヘリコバクター・ピロリの除菌が進んだこと。以前は胃潰瘍(かいよう)や十二指腸潰瘍で「おなかが痛い」という患者が多かったが、除菌の普及で胃潰瘍などが減り、腸や食道の病気が目立つようになった。

最近はヘリコバクターピロリ菌の除菌が進んだことで、胃潰瘍などが減り、腸や食道の病気が目立つようになったそうです。

→ 胃潰瘍の症状(痛み)・原因・予防・食事 について詳しくはこちら

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■まとめ

おなかの張り(腹部膨満感)という症状がある場合には次のような病気の可能性があります。

1.胃や腸にガスがたまる

2.おなかに液体がたまる腹水

3.腹部の腫瘍(しゅよう)

4.機能性ディスペプシア

5.過敏性腸症候群(IBS)

→ 胃痛(胃が痛い)|胃の痛みから考えられる病気とその原因・特徴的な症状 について詳しくはこちら

→ 胃が痛い・胃の痛み|胃腸の病気の症状・原因・予防 について詳しくはこちら







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「コルチゾール顔」が美容トレンドに?ストレスホルモンは肌や顔にどんな影響を与えるの?

SNSでは「コルチゾール顔」という言葉が注目され、ストレスホルモン「コルチゾール」が顔のむくみや赤み、ニキビ、シワなどを引き起こすという情報が広がっています。

ストレス対策として、十分な睡眠やジャーナリング、カフェインを控えることなどを勧める投稿もみられます。

しかし、本当に日常生活のストレスでコルチゾールが増えると、顔つきまで変わってしまうのでしょうか?

そこで今回は「コルチゾール顔」と呼ばれている現象について、コルチゾールと皮膚・肌老化に関する研究をもとに調べてみました。

■そもそもコルチゾールとは?

コルチゾールは、副腎から分泌される「糖質コルチコイド」と呼ばれるホルモンです。

一般的には「ストレスホルモン」として知られていますが、決して悪者というわけではありません。

コルチゾールは、ストレスに対応するだけでなく、血圧の維持、血糖値の調節、炎症の抑制、食べ物からエネルギーを作ることなどにも関係しています。NIDDK「Cushing’s Syndrome」でも、こうしたコルチゾールの役割が説明されています。

コルチゾールの分泌は「HPA軸(視床下部-下垂体-副腎系;Hypothalamic-Pituitary-Adrenal axis。身体がストレスを感じたときに作動する、脳とホルモンを繋ぐ重要なストレス応答システムのこと)」によって調節されています。

ストレスなどによって視床下部からCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)が分泌され、下垂体からACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が分泌されると、副腎でコルチゾールの産生が促されます。一方、コルチゾールには視床下部や下垂体へフィードバックする仕組みもあります。

そのため、「コルチゾール=悪いもの」ではなく、必要なホルモンだけれども、慢性的な過剰状態には問題があると考える方が適切です。

■「コルチゾール顔」という病気があるわけではない

ここが今回の大事なポイントです。

SNSなどで使われる「コルチゾール顔」と、医学的に知られている「クッシング症候群」に伴う顔貌変化は分けて考える必要があります。

クッシング症候群とは、長期間にわたりコルチゾールが過剰になることで生じる疾患です。

2026年の高コルチゾール血症に関するレビューでも、明らかなクッシング症候群では中心性の脂肪蓄積、筋力低下、皮膚の脆弱化、高血圧、耐糖能異常などが典型的な特徴として整理されています。

したがって、

「最近ストレスが多い」
↓
「コルチゾールが増えた」
↓
「顔がむくんだ」
↓
「これがコルチゾール顔だ」

と単純に結論づけることはできません。

■コルチゾールが本当に多いと「ムーンフェイス」になることがある

一方で、コルチゾールが慢性的に過剰になる病的な状態では、実際に顔の見た目が変化することがあります。

代表的なのが「ムーンフェイス(moon facies)」です。

米国国立医学図書館のMedGenでは、ムーンフェイスについて、こめかみや頬などへの脂肪沈着を伴う、丸く膨らんだ顔として説明しています。またクッシング症候群は、過剰なコルチゾール産生による全身症状を呈する病態とされています。

つまり医学的には、

慢性的なコルチゾール過剰 → 脂肪分布などの変化 → 顔が丸く見える

という現象は確かに存在します。

ただし、これは一般的なストレスによって「朝、少し顔がむくんだ」という話とは別です。

■ストレスとコルチゾールは「肌」にも影響する?

では、病的なクッシング症候群ほどではないストレスの場合、肌にはどのような影響が考えられるのでしょうか?

ここが非常に興味深いところです。

コルチゾールと肌については、日本でも興味深い研究があります。

ポーラ化成工業は2018年、培養した表皮細胞にコルチゾールを添加すると、肌のうるおいに関係するフィラグリンが減少したと報告しています。また線維芽細胞にコルチゾールを添加した実験では、コラーゲンの産生量も減少しました。

ただし、これは培養細胞を使った実験です。そのため、「ストレスを感じると人の肌でそのまま同じ変化が起こる」と断定することはできません。

一方、2024年にJournal of Cosmetic Dermatologyに掲載された研究では、慢性的な心理的ストレスと皮膚老化の関係が調べられました。

研究では、慢性的なストレスが比較的強いグループで、

抗酸化能力の低下
皮膚バリアの完全性への影響
肌表面の凹凸や細かいシワなどの変化

が報告されました。

さらに細胞レベルの実験では、コルチゾールやエピネフリンといったストレスホルモンを用いて、DNA、細胞外マトリックス(ECM)、創傷治癒、皮膚バリアなどへの影響が調べられています。

つまりストレスと美容を考える場合、

「コルチゾールで顔がむくむ」

だけに注目するよりも、

慢性的なストレス
↓
ストレスホルモンなどの変化
↓
皮膚バリアや細胞機能などへの影響
↓
肌のコンディションや老化に関係する可能性

という視点の方が研究に近いといえそうです。

こうした研究を合わせて考えると、コルチゾールと美容の関係は単なる「顔のむくみ」に限らず、うるおいや皮膚バリア、コラーゲン、肌の修復など、皮膚そのものの機能との関係から研究されていることがわかります。

■コルチゾールとシワの関係は?

SNSでは「コルチゾールが増えるとシワが増える」といった情報も見かけます。

これについても少し慎重に考える必要があります。

先ほど紹介した2024年の研究では、慢性的な心理的ストレスが比較的強い人で、肌の質感や細かいシワに関係する変化が報告されています。また、細胞を使った実験では、ストレスホルモンによって細胞外マトリックスの合成などが影響を受けることも調べられました。

ただし、この研究から

「コルチゾールが直接シワを作る」

とまで断定することはできません。

皮膚の老化には、加齢だけではなく紫外線など外部要因も関わります。皮膚老化についてのレビューでも、内因性老化と外因性老化が相互に作用すると整理されています。

つまり、コルチゾールは「肌老化に関係する可能性のある一要素」として考える方がよさそうです。

■ストレスが続くと「肌の回復力」にも影響する?

もう一つ注目したいのが「傷の治り」です。

2024年の研究では、慢性的な心理的ストレスと皮膚老化を調べるとともに、細胞レベルでコルチゾールやエピネフリンが皮膚機能に及ぼす影響も検討されました。その結果、DNA、細胞外マトリックス、創傷治癒、皮膚バリアに関する指標への影響が報告されています。

ただし、細胞実験の結果をそのまま「日常的なストレスが人の傷を治りにくくする」と読み替えることはできません。

一方で、このレビューでは影響がステロイドの種類や用量、使用期間などによって異なる可能性があり、さらに質の高いヒト研究が必要とも指摘されています。

そのため、

「ストレスがあると必ず傷が治らなくなる」

という意味ではありません。

ただ、「ストレスホルモンと肌の関係」を考えるとき、見た目だけではなく皮膚の修復機能にも目を向ける必要がありそうです。

■コルチゾールが増えるとニキビになる?

ニキビについても、

「コルチゾール=ニキビの原因」

と単純に考えるのは避けた方がよいでしょう。

実際、前述の2024年の研究論文でも、心理的ストレスはコルチゾールやエピネフリンの放出を介し、ニキビを含む複数の皮膚疾患と関連することが紹介されています。

しかし、これだけで「コルチゾールが直接ニキビを作る」とはいえません。

肌トラブルにはさまざまな原因が関係するため、「ストレスとニキビには関連が報告されている」という程度に捉えておく方が正確でしょう。

■「顔の赤み」もすべてコルチゾールのせい?

顔の赤みについても注意が必要です。

慢性的にコルチゾールが過剰となるクッシング症候群では、皮膚症状が現れることが知られています。2026年のレビューでも、高コルチゾール状態は皮膚を含む複数の臓器系へ影響することが整理されています。

しかし、

赤ら顔=コルチゾールが高い

と自己判断できるわけではありません。

特にSNSで「むくみ」「赤み」「ニキビ」「シワ」といった非常に一般的な症状をまとめて「コルチゾール顔」と判断するのは慎重になる必要があります。

■「コルチゾール顔対策」として何をすればいいの?

SNSでは「コルチゾール顔対策」として、睡眠、ジャーナリング、カフェインを控える、サプリメント、運動などさまざまな方法が紹介されています。

ただ、ここで注意したいのは、「美容のためにコルチゾールをできるだけ下げればいい」ということではないという点です。

コルチゾールは生命維持に必要なホルモンであり、ストレスへの対応だけでなく、血圧や血糖、炎症、エネルギー代謝などにも関わっています。NIDDK「Cushing’s Syndrome」でもこうした生理的役割が説明されています。

美容という点から考えたいのは、コルチゾールそのものを悪者にすることではなく、慢性的なストレスを減らし、睡眠や生活リズムなどを整えることです。

では、研究されている方法を見てみましょう。

●適度に体を動かす

2025年に44研究を対象に行われた系統的レビュー・ネットワークメタ解析では、心理的ストレスを抱える成人への運動介入はコルチゾールの低下と関連し、なかでもヨガで比較的大きな効果が示されました。

また別の系統的レビュー・メタ解析でも、身体活動プログラムはコルチゾールの低下と睡眠の質の改善に関連していました。ただし研究対象者に偏りがあるため、一般の人にそのまま当てはめるには注意が必要です。

そのため、散歩やヨガなどの無理なく続けられる運動を生活に取り入れることは、ストレス管理の選択肢のひとつになりそうです。

●睡眠を大切にする

コルチゾールは一日の中で一定ではなく、日内リズムを持つホルモンです。

睡眠や運動と翌日のコルチゾールリズムとの関係も研究されていますが、「必ず7時間30分~8時間眠ればコルチゾールが下がる」というような単純なものではありません。高齢者を対象とした2025年の研究でも、睡眠時間や運動それぞれ単独と翌日のコルチゾール指標との独立した関連は認められませんでした。

「コルチゾールを下げるために○時間眠る」と考えるより、十分な睡眠を確保し、規則的な生活を心がけると考える方がよさそうです。

●呼吸法など自分がリラックスできる習慣を取り入れる

深呼吸や腹式呼吸、マインドフル呼吸などについても研究されています。

2025年のレビューでは、さまざまな呼吸法を継続した研究がまとめられ、対象となった複数の研究で睡眠の質の改善が報告されています。

ただし、「吸う:吐く=1:2にするとコルチゾールが下がる」とまでは、この研究からはいえません。

大切なのは、

「コルチゾールを下げなければ」と頑張りすぎるのではなく、自分が無理なく続けられるストレス対策をひとつ取り入れること

なのかもしれません。

■「コルチゾールを下げる食べ物」はあるの?

SNSでは「コルチゾールを下げる食べ物」として、鮭、ヨーグルト、キウイなどが紹介されることがあります。

実際、食事とコルチゾールの関係については研究されています。しかし、「この食品を食べればコルチゾールが下がる」と単純に分類できるほど簡単ではありません。

コルチゾールには朝に高く夜に低くなる日内リズムがあり、食事そのものによっても分泌が変動します。2025年のレビューでは、食事のタイミングや栄養素、食事パターンなどがコルチゾール分泌やそのリズムに影響することが整理されています。

一方で、特定の栄養素について興味深い研究もあります。

オメガ3脂肪酸については、中年成人138人を対象としたランダム化比較試験で、4か月間のオメガ3脂肪酸摂取によって、実験的なストレス負荷中のコルチゾールが低くなったことが報告されています。

ただし、これは「鮭を食べればコルチゾールが下がる」と証明した研究ではなく、オメガ3脂肪酸のサプリメントを使った研究です。

プロバイオティクスについても、2024年の46件のランダム化比較試験をまとめた系統的レビュー・メタ解析では、摂取によってコルチゾールが低下する可能性が示されました。ただし研究間のばらつきが非常に大きく、エビデンスの確実性は低いと評価されています。したがって、「ヨーグルトを食べればコルチゾールが下がる」とまではいえません。

キウイについても研究があります。2021年の小規模な試験では、運動前のキウイまたはビタミンC摂取と運動ストレスが調べられましたが、コルチゾールへの影響が示されたのは主にビタミンC飲料で、キウイをそのまま「コルチゾールを下げる食品」とするには根拠が十分とはいえません。

反対に、カフェインにはコルチゾール分泌を一時的に増加させることを示したヒト研究があります。

しかし、ここでも「コルチゾールが上がる=体に悪い」とは限りません。

つまり、

「健康によい食品」=「コルチゾールを下げる食品」
「コルチゾールを下げる」=「健康によい」

とは限らないということです。

コルチゾールを下げる食品を探すことよりも、バランスのとれた食事をとり、慢性的なストレスを減らし、コルチゾール本来の日内リズムを乱さない生活を考える方がよさそうです。

■■「コルチゾール顔」という言葉が広まった理由は?

先日、お酒を飲んで睡眠時間が短くなった翌朝、鏡を見て「なんだか顔がたるんで、いつもより老けて見える」と感じることがありました。

そこで面白いと思ったのが、「これってコルチゾール顔じゃない?」と言われたら、なんとなく納得してしまいそうだということです。

でも、実際にその朝の状態を分解してみると、

・前日にお酒を飲んでいた
・睡眠時間が短かった
・翌朝、顔がむくんでいた可能性がある
・目元や肌が疲れて見えた
・顔がたるんだように感じた
・その結果、「いつもより老けて見える」という印象になった

など、いくつもの要素が考えられます。

実際、睡眠不足が顔の見た目に与える影響を調べた研究では、睡眠不足後の顔は、まぶたが垂れて見える、目が腫れて見える、目の下のクマが濃く見える、肌が青白く見える、シワや細かい線が目立つ、口角が下がって見えるなどの変化が評価者から認識されました。つまり「寝不足で老けて見えた」という感覚自体には、一定の研究的な裏付けがあります。

一方、慢性的な心理的ストレスについても、皮膚バリアや抗酸化能、肌表面の凹凸や細かいシワなどとの関連が研究されています。

ここで「コルチゾール顔」という言葉の面白さが見えてきます。

本来は別々の原因や経路によって起きているかもしれない「むくみ」「疲れた目元」「肌の変化」「老けて見える」といった現象を、「コルチゾール顔」という一つの概念でまとめると、とても理解しやすくなるのです。

名前がなければ、「お酒のせいかな?」「寝不足かな?」「最近疲れているからかな?」と別々に考えていたものが、「コルチゾール顔」という言葉を知ると、一つの現象としてつながって見える。

もしかすると、それこそが「コルチゾール顔」という言葉がSNSで注目された理由の一つなのかもしれません。

ただし、ここには注意も必要です。

一つの概念で説明すると理解しやすくなることと、その現象すべてがコルチゾールによって直接引き起こされていることは別です。

実際、病的なコルチゾール過剰が長期間続くクッシング症候群では丸い顔などの特徴がみられることがありますが、普通の日常生活で翌朝顔がむくんだという現象と同じものではありません。

「コルチゾール顔」という言葉を、自分の顔からコルチゾール値を判断できる医学的な診断名として捉えるのではなく、ストレスや生活習慣、睡眠、皮膚の状態などが複雑に絡み合って現れる「疲れた顔」を理解するために生まれたキャッチーな概念として考えてみると、この美容トレンドが広まった理由も見えてくるのではないでしょうか。

■まとめ:「コルチゾール顔」は本当にあるの?

今回、論文や公的医療情報を調べてみると、「コルチゾール顔」という言葉について3つに分けて考えるとわかりやすいことが見えてきます。

1.病的なコルチゾール過剰では、本当に顔つきが変化することがある

クッシング症候群などの慢性的なコルチゾール過剰状態では、中心性の脂肪蓄積や皮膚の脆弱化などがみられ、ムーンフェイスと呼ばれる丸い顔貌がみられることがあります。

2.心理的ストレスと肌状態の関係も研究されている

慢性的な心理的ストレスが比較的強い人では、皮膚バリア、抗酸化能、肌の質感や細かいシワなどへの影響を示した研究があります。細胞実験ではストレスホルモンと皮膚機能との関係も調べられています。

3.だからといって、むくみやニキビを「コルチゾール顔」と自己診断することはできない

ここが最も重要です。

SNSで「コルチゾール顔」という新しい美容現象が発見されたというより、

以前から研究されてきた「ストレス・コルチゾール・皮膚」の関係が、「コルチゾール顔」というキャッチーな言葉で再び注目されている

と捉える方が実態に近いのかもしれません。

そして美容という観点から本当に面白いのは、

「ストレスで顔がむくむか?」だけではなく、「慢性的なストレスが皮膚のバリア機能や修復機能、さらには肌老化にどのように関係するのか?」

という点ではないでしょうか。

【関連記事】

HAKURAIDOUでは、これまでもコルチゾールやストレス、代謝について紹介しています。

「肥満や病気とコルチゾール分泌が関係あるの?コルチゾール値を下げる方法とは?」
「29日間で1日8~10時間のハイキングで体はどのように変わったの?|心拍数・血糖値(HbA1c)・コルチゾール・テストステロン・代謝(脂肪の燃焼効率)」
「女性は運動前に軽く食べた方がよく、空腹での有酸素運動を続けると後で過食になりやすい!」
「うつ病で太る・抗うつ薬で太る仕組みをわかりやすく解説」
「なぜ急に痩せたらハゲてしまうの?」

【参考文献】

Pujos M, et al. Impact of Chronic Moderate Psychological Stress on Skin Aging: Exploratory Clinical Study and Cellular Functioning. Journal of Cosmetic Dermatology. 2024. doi: 10.1111/jocd.16634. PMID: 39506493.

Raff H, Carroll T. Cushing’s syndrome: from physiological principles to diagnosis and clinical care. The Journal of Physiology. 2015;593:493-506. doi: 10.1113/jphysiol.2014.282871. PMID: 25480800.

Mohamed M, et al. Hypercortisolism: Causes, Consequences and Clinical Significance – A Review of Pathophysiology. Diabetes, Obesity and Metabolism. 2026;28(Suppl 4):3-16. doi: 10.1111/dom.71022. PMID: 42385154.

Khalid KA, Mohd Nawi AF, Zulkifli N, Barkat MA, Hadi H. Aging and Wound Healing of the Skin: A Review of Clinical and Pathophysiological Hallmarks. Life. 2022;12(12):2142. doi: 10.3390/life12122142. PMID: 36556508.

Valerie EED. Corticosteroids and wound healing: A literature review. Wounds International. 2025.

National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases (NIDDK). Cushing’s Syndrome. National Institutes of Health.

National Center for Biotechnology Information (NCBI) MedGen. Moon facies. U.S. National Library of Medicine.

【参考リンク】

ポーラ化成工業株式会社. ストレスが肌のうるおいを奪うメカニズムを解明-ストレスホルモンの影響を解消するオリジナルエキスを開発. NEWS RELEASE. 2018年6月11日.

【補足】コルチゾールは脳とも関係している?

コルチゾールの研究は美容だけにとどまりません。

コルチゾールやHPA軸の調節異常は、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患との関連についても研究されています。

アルツハイマー病についての系統的レビュー・メタ解析では、患者で朝のコルチゾールが高い傾向が報告されています。ただし、認知機能が正常な人を対象とした研究では結果が一致しておらず、「コルチゾールが高いことがアルツハイマー病の原因」と証明されたわけではありません。

パーキンソン病についても、HPA軸やコルチゾールの調節異常との関連が研究されています。2019年の系統的レビューでは、コルチゾールを評価した研究の一部で高値が報告されています。

さらに、進行性核上性麻痺(PSP)については、2017年に生活上のストレスとの関連を調べた研究があり、高度にストレスフルな出来事への曝露とPSPとの関連が報告されました。

ただし、この研究で測定されたのは生活上のストレスであり、「コルチゾールがPSPを引き起こす」ことを示した研究ではありません。

神経変性疾患とストレス・HPA軸・コルチゾールの関係については、今後さらに研究が必要な分野といえそうです。

【参考文献】

Zheng B, Tal R, Yang Z, Middleton L, Udeh-Momoh C. Cortisol hypersecretion and the risk of Alzheimer’s disease: A systematic review and meta-analysis. Ageing Research Reviews. 2020;64:101171. doi:10.1016/j.arr.2020.101171.

Soares NM, et al. Cortisol levels, motor, cognitive and behavioral symptoms in Parkinson’s disease: a systematic review. Journal of Neural Transmission. 2019;126(3):219-232. doi:10.1007/s00702-018-1947-4.

Kelley KD, et al. The Role of Stress as a Risk Factor for Progressive Supranuclear Palsy. Journal of Parkinson’s Disease. 2017;7(2):377-383. doi:10.3233/JPD-160945.







「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」

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この記事は、例えるなら「ばあちゃんの料理教室(ハクライドウ)」という街の中の「ひとつの家」です。

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投稿日: 2026年10月19日 22:07 編集

運動したくない人へ。老化予防に「一つだけ」やるならスクワット?

女優の平愛梨さん(41歳)がXで、41歳になってこれまで感じなかった「しんどッ」を感じるようになったと投稿し、「老いは受け入れて寝込めないから体力作りだけはしてかなきゃ!」と、スクワットを頑張ることを宣言していました。

これを見て気になったことがあります。

老化予防のために、何か一つだけ運動するとしたら、スクワットってかなりいい選択なのでは?

ということです。

もちろん、健康のためにはウォーキングなどの有酸素運動もした方がいいですし、筋トレ、バランストレーニング、ストレッチなども大切です。

でも、そんなことは多くの人が分かっています。

問題は、「分かっているけど、運動したくない」ことではないでしょうか?

だったら「全部やりましょう」ではなく、逆に考えてみましょう。

どうしても一つだけなら何をする?

その候補として、スクワットはかなり優秀なのではないかと思い、調べてみました。

■老化予防で大切なのは「筋肉」だけではない

年齢を重ねてもできるだけ長く、

自分で立ち上がる
立っていられる
歩く
階段を上る
バランスを取る
転びそうになったら踏ん張る

といったことができればいいですよね。

つまり、老化予防で考えたいのは単に、「筋肉を大きくすること」だけではありません。

自分の身体を自分で支え、自分の力で動かし続けられることが重要です。

そこで関係してくるのが、足腰や体幹です。

■なぜ「姿勢を保つ力」が大切なの?

私たちは普段、何気なく立ったり座ったりしています。

しかし実際には、身体が倒れてしまわないように、体幹や下半身などさまざまな筋肉が働いて姿勢を調整しています。

以前、母が座っていると左に傾き、立っていると背中が丸くなる理由を調べたときにも、姿勢を維持するには単純に一つの筋肉だけではなく、筋力やバランスなどいくつもの要素が関係していることが分かりました。

だから「姿勢保持筋さえ鍛えれば老化を防げる」という単純な話ではありません。

ただ、身体を支える能力を失わないという視点は、健康寿命を考える上ではとても大切だと思います。

■そこで「スクワット」

スクワットというと、「太ももを鍛える筋トレ」というイメージがあります。

しかし、もう少し大きく考えてみると面白い運動です。

スクワットでは、太ももの前側にある大腿四頭筋、お尻の大臀筋など下半身の大きな筋肉を使います。

さらに、身体が前後左右に倒れないように姿勢を安定させながら動かなければなりません。

つまり、自分の身体を支えたまま、しゃがんで、もう一度立ち上がる運動なのです。

考えてみればこれは筋トレというより、「立つ・座る」という日常生活の基本動作そのものにかなり近いですよね。

■スクワットが「一つだけ」に向いている理由

だから、私が今回スクワットに注目した理由は「スクワットが最強の運動だから」ではありません。

もっと現実的な理由です。

1.下半身の大きな筋肉をまとめて使える

スクワットでは太ももやお尻など、身体を支えたり移動したりするときに重要な筋肉をまとめて使います。

2.体幹も使う

スクワットでは上半身を安定させながら身体を上下させる必要があるため、脚だけで完結する運動ではありません。

3.「立つ・座る」という生活動作に近い

若い頃には意識もしない「椅子から立ち上がる」という能力も、年齢を重ねたときには重要な身体機能になります。

4.道具がいらない

ジムに行く必要もありません。

自宅でもできます。

このハードルの低さは、「運動したくない人がゼロにしない」という今回の目的では非常に重要です。

■研究でも筋力トレーニングは高齢者の身体機能維持に重要

ここで大事なのは、「スクワットだけやっていれば老化を防げる」という話ではありません。

研究で比較的しっかり裏づけられているのは、スクワットそのものを万能視することよりも、加齢に対してレジスタンストレーニングを行うことの重要性です。

高齢者を対象にした研究やシステマティックレビュー・メタ解析では、レジスタンストレーニングによる筋力や身体機能への効果が検討されてきました。

サルコペニア対策でも、筋肉に抵抗をかける運動は重要な介入の一つです。

つまり研究から確実に言いやすいのは、「筋力を維持するための運動を続けることには意味がある」というところまでです。

その先の、「じゃあ運動嫌いの人が一種目だけ選ぶなら?」に対する実践的な答えの一つがスクワット、というのが今回の考え方です。

■スクワットには血糖値の面でも興味深い研究がある

ハクライドウでは以前、

「座りすぎ生活の人は45分おきにスクワットをすると血糖値コントロールが30分ウォーキングよりも効果的!?」

という研究について紹介しました。

この研究では、長時間座って過ごす中で、一定間隔でスクワットを行う方法が検討されています。

ここからも面白いことが見えてきます。

スクワットは必ずしも、「さあ今から30分運動するぞ!」と時間を確保しなくてもいいのかもしれません。

例えば、

長時間座っていたら立って数回。

食事のあとに数回。

テレビを見ていてCMになったら数回。

というように、生活の中へ小さく差し込む運動にすることもできます。

以前の記事では、食後のウォーキングやスクワットと食後血糖についても紹介しています。

座りすぎ生活の人は45分おきにスクワットをすると血糖値コントロールが30分ウォーキングよりも効果的!?

食後15分以内にウォーキングやスクワットをすると血糖値スパイクを抑えられる!

■完璧な運動より「ゼロにしない運動」

今回一番伝えたいのは、実はここです。

健康について調べれば調べるほど、

ウォーキングをしましょう。

筋トレもしましょう。

バランストレーニングもしましょう。

ストレッチもしましょう。

座りっぱなしも避けましょう。

……となっていきます。

どれも正しい。

でも、それを見て、

「そんなにできないよ」

となって全部やらなくなってしまったら、ちょっともったいないですよね。

だったら最初から、「一つだけやろう」でもいいのではないでしょうか。

その一つとして、「とりあえずスクワット」はかなり合理的な選択肢だと思います。

■スクワットが難しい人は「つかまりスクワット」でも

もちろん、高齢者や筋力が低下している人、膝や腰に問題がある人まで、いきなり普通のスクワットをする必要はありません。

ハクライドウでは以前、「つかまりスクワット」についても紹介しています。

つかまりスクワットのやり方

安全にできる範囲に調整することの方が大切です。

特に持病がある場合や、運動中に痛み・強い息切れ・めまいなどが起きる場合には、無理に続けず、医療専門職に相談してください。

■老化対策とは「若返る」よりも「余力を残す」ことなのかもしれない

これは先日「虚弱体質」について調べたときにも感じたことですが、年齢を重ねるということを、身体の「予備力」が少しずつ小さくなっていくことと考えると分かりやすいかもしれません。

若い頃には何ともなかったことを「しんどい」と感じる。

立ち上がる。

歩く。

階段を上る。

荷物を持つ。

疲れても回復する。

こうした日常生活に対して、どれくらいの「余力」を残しておけるか。

そう考えると、筋トレの目的も変わってきます。

ムキムキになるためだけではありません。

何歳になっても、自分の身体を自分で支えて動かせるだけの余力を残しておく。

そのためのトレーニングです。

■まとめ|一つだけなら「スクワット」という考え方

スクワットが「最強の老化予防運動」だと証明されているわけではありません。

ウォーキングなどの有酸素運動やバランストレーニングなど、それぞれに役割があります。

でも、「運動した方がいいのは分かっている。でも正直、いろいろやりたくない」という人に、「全部やりましょう」と言うだけでは、ゼロのままかもしれません。

だったら、

何もしないくらいなら、一つだけ。
一つだけなら、スクワット。

という考え方があってもいいのではないでしょうか。

脚とお尻を使い、身体を支えながらしゃがみ、そして自分の力でもう一度立ち上がる。

これは単なる筋トレではなく、

「自分の身体を自分で支えて生きていく」ための練習

とも考えられます。

平愛梨さんの「老いは受け入れて寝込めないから体力作りだけはしてかなきゃ!」という言葉をきっかけに、自分自身も「まずスクワットだけでもやろう」と思いました。







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指原莉乃さんが過敏性腸症候群(IBS)を告白!IBSには4つのタイプ、「難聴気味」という言葉も気になった

指原莉乃さんが自身のYouTubeチャンネル「さしはらちゃんねる」で、仕事に行く日のバッグの中身を紹介。

その中で薬が入った小さなポーチを取り出し、

「体調悪い、っていうか…持病。気にしてることが多くて。過敏性腸症候群だし、ちょっと難聴気味とか色々なんかトラブルがありつつ…なので、頓服薬がいっぱい」

と、自身が過敏性腸症候群(IBS)であることや「難聴気味」であることを明かしました。

今回このニュースを見て気になったのが、IBSは思っている以上に症状の幅が広いことと、もう一つ、指原さんが口にした「難聴気味」という言葉です。

■IBSって「男性がおなかを下しやすい病気」じゃないの?

以前、安住紳一郎アナがIBSであることを告白した際、ハクライドウでも取り上げました。

安住紳一郎アナ、過敏性腸症候群(IBS)を告白!なぜ男性はおなかがゆるくなりがちなの?

その際、安住さんがIBSについて男性に多いという趣旨の発言をしたところ、「女性にもいるよ」といったコメントが寄せられたそうです。

確かに、IBSというと「緊張するとおなかが痛くなる」「すぐ下痢をする」といったイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、IBSは下痢だけではありません。

→ 過敏性腸症候群(IBS)の症状・原因・チェック・治し方 について詳しくはこちら

■IBSには4つのタイプがある

IBSは便の状態などから、大きく4つのタイプに分類されています。

・下痢型(IBS-D)
・便秘型(IBS-C)
・混合型(IBS-M)
・分類不能型(IBS-U)

つまり、同じ「過敏性腸症候群」という診断でも、

「下痢になりやすい人」

もいれば、

「便秘になりやすい人」

もいる。

さらに、下痢と便秘の両方が現れる人もいます。

こう考えると、IBSは「おなかがゆるい人の病気」というより、もっと幅広い症状を含んだ病気だということがわかります。

以前調べた「男性はなぜ下痢しやすいのか?」という話も、このIBS全体の中の一側面として考えた方がわかりやすそうです。

なぜ男性は下痢しやすいのか?体の仕組みの「性差」が教えてくれること

■IBSは男性だけではない

ここも今回改めて押さえておきたいポイントです。

「男性は下痢をしやすい」という研究があることと、「IBSは男性の病気」ということは同じではありません。

IBSには下痢型だけでなく便秘型や混合型などさまざまなタイプがあり、男女によって症状の現れ方にも違いがあることが研究されています。

以前の記事でも紹介したように、IBS全体では女性に多い一方、男性では下痢関連症状、女性では便秘などが目立ちやすい傾向が報告されています。

だから、

「IBS=男性に多い=下痢をする病気」

と考えてしまうと、IBSの一部分しか見えていないんですね。

指原さんがIBSであることを明かしたことは、IBSの症状の幅広さを知る一つのきっかけになるかもしれません。

■もう一つ気になった「難聴気味」

そして今回、個人的にもう一つ気になったのが、

「ちょっと難聴気味」

という言葉でした。

指原さんはアイドルとしてライブパフォーマンスを長く行ってきたので、「大きな音を聞く機会が多かったことも関係しているのだろうか?」とも思いました。

ただ、指原さん自身の難聴の原因についてはわかりませんので、ライブ活動が原因だということではありません。

一方、一般的な話として、WHOは大きな音に長時間、繰り返しさらされることが聴力低下につながる可能性を指摘しています。

耳を守るためには「どれくらい大きな音か」だけでなく、「どれくらい長く聞くか」も大切です。

ライブだけではありません。

現在はイヤホンやヘッドホンで長時間音楽や動画を楽しむ人も多く、若いうちから「聞こえ」を守ることは以前より身近な健康テーマになっているのではないでしょうか。

イヤホン難聴の若者が増えると、将来的に認知症患者が増えるかも!?

■難聴は認知症のリスク要因の一つとしても注目されている

私たちが難聴について気をつけたいと思う理由は、「聞こえにくい」という不便さだけではありません。

難聴は、認知症のリスク要因の一つとしても注目されています。

難聴になると認知症になりやすい!難聴は認知症の最大の原因!!!

だからこそ、若いうちから「聞こえ」を大切にすることには意味があると思います。

たとえば、

・最近、人の話を聞き返すことが増えた
・テレビや動画の音量が以前より大きくなった
・イヤホンで長時間、大きな音を聞いている
・耳鳴りや聞こえにくさが気になる

といった変化があるなら、耳の健康を見直すきっかけにしてもよいのではないでしょうか。

気になる聞こえの変化が続く場合には、耳鼻咽喉科などで聴力を確認しておくことも大切です。

■IBSも難聴も「ちょっと気になる」を見過ごさない

今回の指原さんの話をきっかけに調べてみると、IBS一つをとっても、

下痢型・便秘型・混合型・分類不能型

と、実はかなり幅広いことがわかります。

以前、安住さんのIBSをきっかけに「なぜ男性はおなかがゆるくなりやすいの?」と調べましたが、指原さんの話から見ると、また違ったIBSの姿が見えてきます。

そして、「難聴気味」という何気ない言葉も気になりました。

今困っている症状だけを考えるのではなく、

「この状態が将来の健康とどうつながっているんだろう?」

という視点を持ってみる。

難聴が認知症のリスク要因の一つとして研究されていることを知っていれば、「ちょっと聞こえづらいくらいだから」とそのままにせず、耳を守ったり、必要に応じて聴力を確認したりするきっかけにもなります。

病気について必要以上に怖がる必要はありません。

でも、知っていることで早めに気づいたり、将来のリスクを少しでも減らすための行動につなげたりする。

今回のニュースは、そんなことを考えるきっかけになるのではないでしょうか。

【2つの未来予測】1.未病の観点から病気のサインを見つける、2.健康的なライフスタイルがお金のような価値を持つ

【関連記事】
視覚(視力の低下・白内障)・聴覚(難聴)・嗅覚(においがわからなくなる)の衰えが認知症の症状のサイン!?







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単発の健康情報やレシピの話ではありません。

この街では、
「何を食べるか」よりも
「どうやって暮らしの中で調整してきたか」を大切にしています。

もし、

なぜこういう考え方になるのか

他の記事はどんな視点で書かれているのか

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「虚弱体質」の正体は何なのか?虚弱体質について調べてみた!

「虚弱体質」という言葉があります。

・昔から体が弱い。
・ 疲れやすい。
・ 風邪をひきやすい。
・ 無理がきかない。
・人より休まないと回復しない。

そんな人を見て、「もともと虚弱体質なんじゃない?」なんていうことがありますよね。

私自身、「虚弱体質」と聞けばなんとなくイメージはできるのですが、「じゃあ、虚弱体質って具体的に体の何が弱いの?」と聞かれると、よくわかっていないことに気づきました。

そこで「虚弱体質」の正体について調べてみることにしました。

調べていくと面白かったのが、昔からある東洋医学の「虚」という考え方と、現代医学にある「予備力」「余力」「回復力(レジリエンス)」という考え方です。

もしかすると私たちが昔から「体が強い」「体が弱い」と感覚的に表現してきたものを、別の角度から考えるヒントになるのかもしれません。

■東洋医学には「虚」という考え方がある

「虚弱体質」という言葉からイメージしやすいものの一つが漢方です。

漢方には「虚実」という重要な考え方があります。日本東洋医学会によると、現在の日本で広く受け入れられている虚実の捉え方では、その人の基本的な体力や体格、あるいは病気に対する反応などを見ます。

漢方では、体力や体格、病気に対する反応などをみながら「虚実」を判断します。そのため、日常的にいう「虚弱体質」と重なって見える部分があります。

ただし、「虚弱体質」と「虚証」が医学的に同じ意味というわけではありません。

ここが現代医学と比べると興味深いところです。

「食が細い」「疲れやすい」「冷えやすい」「病気のあとになかなか元気にならない」といった、その人に現れているさまざまな特徴を含めて捉えようとするところに、漢方的な見方の面白さがあります。

だから私たちが「虚弱体質」と聞いて、なんとなく漢方や養生をイメージするのも不思議ではありません。

■では、西洋医学に「虚弱体質」という病気があるの?

ここで考えてみたいのが現代医学です。

現代医学では、「疲れやすい」「体が弱い」という状態を一つの原因で説明するのは難しく、それぞれの身体機能や病気について考えていくことになります。

つまり、虚弱体質という一つの正体が体のどこかに隠れている、とは考えない方がよさそうです。

「疲れやすい」という症状だけを考えても、原因は一つとは限りません。

ところが、ここで興味深いのが、現代の老年医学にある「フレイル(Frailty)」という概念です。

Frailtyは以前「虚弱」などと訳されていましたが、日本老年医学会は2014年、その可逆性などを適切に伝えるため「フレイル」という表現を提唱しました。

フレイルは「生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が高まった状態」と説明されています。

身体だけでなく、認知機能や心理、社会的な問題まで含む概念です。

つまり、重要なのは単純に「筋力が弱い」といった話だけではありません。

ストレスがかかったときに耐えられる余力がどれくらい残っているか。

ここで「予備力」という考え方が出てきます。

■「予備力」って何?

以前、ハクライドウでもフレイルは「予備力の低下」が主要因として起こりやすい!?という記事を書きました。

そこでは予備力を、「健康を守る余力」のように考えました。

これは「虚弱体質」を考えるうえでも面白い考え方です。

私たちの体は、普段の生活をギリギリの能力で動かしているわけではありません。

しかし、年齢や病気などによって予備力が低下してくると、ちょっとしたストレスでも身体のバランスを崩しやすくなります。

実際、フレイルは「加齢に伴う予備能力の低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態」と説明されています。

ここで、

・余力
・予備力
・回復力(レジリエンス)

という言葉が一つにつながってきます。

■「体が強い」とは余力があることなのかもしれない

たとえば、同じように忙しい一日を過ごした二人がいたとします。

二人ともその日の夜は疲れています。

しかし、

Aさんは一晩寝たら翌朝には元気。

Bさんは翌日も疲れが残っていて、数日間調子が戻らない。

この違いを単純に「Aさんは体が強い」「Bさんは虚弱体質」と私たちは表現してきたのかもしれません。

でも「回復力」という視点から見れば、同じストレスを受けたとき、どれくらい耐えられるのか、そしてどのくらい元の状態へ戻れるのかという違いとして考えることもできます。

もちろん、これだけで虚弱体質を医学的に説明できるわけではありません。

ただ、「体が強い・弱い」という感覚を理解するための一つの考え方にはなりそうです。

■体力も一つの「予備力」?

以前書いた青年期の心肺持久力(心肺機能)が低いと、将来(中年期)労働能力が低下し病欠が多くなる!?では、フィンランドの1,207人を対象にした研究で、青年期の心肺機能の高さが中年期の労働能力の高さや病欠の少なさと関連していました。

また、腕立て伏せの回数が多い人ほど、心血管疾患になるリスクが明らかに低い!で紹介した研究では、男性消防士1,104人を対象として、腕立て伏せ能力と将来の心血管疾患リスクとの関連が調べられています。

つまり、「体力」という漠然としたものも、

・心肺持久力
・筋力
・筋持久力
・身体機能

などに分ければ、ある程度客観的に見ることができます。

以前の成功する人は体力オバケが多い!?という記事で取り上げた「体力オバケ」という言葉も、今回改めて考えるとなかなか面白い表現です。

「体力がある」というのは、単に筋肉が大きいということではなく、日常生活で使ってもまだ余力が残るだけの身体能力があり、ストレスを受けても回復できるという見方もできそうです。

体力の高さは、いざというときに使える身体的な「余力」を考える一つの手がかりになるのではないでしょうか。

■「予備力」は体だけの話ではない

さらに面白いのは、予備力という考え方が身体だけに使われるわけではないことです。

脳には「認知的予備力(cognitive reserve)」という概念があります。

認知的予備力とは、脳が加齢や病理の影響を受けても、認知機能の低下を抑える個人の潜在能力を表す概念です。以前のハクライドウの記事でも紹介しています。

同じようなアルツハイマー病理があったとしても、現れる認知機能障害には個人差があります。そのような違いを説明する考え方の一つが認知的予備力です。

ここからは私なりの整理ですが、「身体にも余力があり、脳にも変化に耐える予備力がある」と考えるとイメージしやすくなります。

そしてそれぞれの余力が小さくなれば、同じストレスを受けても影響を受けやすくなる。

「虚弱」という昔からある言葉と、どこか通じるものを感じます。

■「虚弱体質=予備力が低い」と断定してはいけない

ただし、ここは大事です。

今回調べたことから、虚弱体質とは予備力が低い人のことであると医学的に定義できるわけではありません。

また、「自分は疲れやすいから虚弱体質なんだ」と自己判断して終わらせるのもよくありません。

「疲れやすい」「息切れする」「以前できていたことができなくなった」といった変化には、さまざまな健康上の問題が関係している可能性があります。

今回の「予備力」「余力」「回復力」という言葉は、病名や診断基準としてではなく、昔から私たちが「体が強い・弱い」と感じてきた違いを考えるための視点として捉えるのがよさそうです。

■東洋医学と現代医学、意外と見ている方向は近い?

今回一番面白いと思ったのがここです。

漢方では、身体機能などが不足・低下している状態を「虚証」という考え方で捉えます。

一方、現代の老年医学には、

予備能力が低下する
↓
ストレスに対して脆弱になる
↓
元の状態に戻る力も低下する
↓
こうした状態をフレイルという概念から捉える

という考え方があります。

もちろん「虚証」と「フレイル」や「予備力」は同じ概念ではありません。

ただ、その人には、困ったときに使える「余力」がどれくらい残されているのか?という視点から眺めると、不思議と重なる部分があります。

漢方医療でも、実際にフレイルという現代医学の概念と漢方医学の虚弱状態を関連づけた解説が行われています。

■もう一つ、「虚弱体質」という言葉について考えたこと

今回調べながら、もう一つ面白いと思ったことがあります。

それは、「虚弱体質」という言葉そのものが、いろいろな状態を一つにつなげて理解するための「概念」として役立ってきたのではないか、ということです。

疲れやすい。
食が細い。
無理がきかない。
体調を崩しやすい。
一度調子を崩すとなかなか元に戻らない。

一つ一つを見れば別々の現象です。

ところが、

「自分は虚弱体質なのかもしれない」

という一つの言葉で捉えると、それまでバラバラだったものが一つにつながって見えてきます。

もちろん、「昔の人がそのために虚弱体質という言葉を作った」という歴史的な事実を確認したわけではありません。これは今回調べながら私が考えた一つの仮説です。

ただ、複数の現象に一つの名前が付くことで、

「自分はいま、どういう状態にあるのか」

を理解しやすくなることはあるのではないでしょうか。

ここで思い出したのが、以前書いた「魔法の世紀」(#落合陽一)を読んで考えたこと|西洋と東洋の考え方の違いです。

この記事では、西洋的な分析思考と東洋的な包括思考という違いについて考えました。

私には、東洋的な考え方には、物事を個別に切り離すよりも、さまざまな物事の関係も含めて全体を見るイメージがあります。

一方、西洋の科学には、複雑な現象を細かく分けて、「何が起きているのか」を分析していくイメージがあります。

もちろん、実際の東洋医学と西洋医学を、そんなに単純に二分することはできません。

実際、現代医学のフレイルも、身体だけでなく認知・心理・社会的な問題まで含めて考える包括的な概念です。

それでも「虚弱体質」について、

包括してみる → 分解してみる → もう一度つなげてみる

という二つの見方を行き来するのは面白いと思います。

最初に、

疲れやすい・食が細い・無理がきかない・回復が遅い

という状態を、「虚弱体質」という大きな概念で捉えてみる。

次に現代医学の視点から、心肺機能、筋力、栄養状態、睡眠、病気、予備力、回復力などに分けて考えてみる。

そして最後にもう一度、

「この人には、どのくらい余力があるのだろう?」
「ストレスがかかったとき、どのくらい耐えられるのだろう?」
「その後、どのくらい元の状態に戻れるのだろう?」

と全体を眺めてみる。

包括する → 分解する → もう一度つなげる。

そうやって違ったレンズから眺めてみると、「虚弱体質」という昔からある曖昧な言葉が、少し違って見えてきます。

■まとめ:「虚弱体質」の正体は一つではない

「虚弱体質って何だろう?」

そんな素朴な疑問から調べ始めました。

調べてみると、どうやら「虚弱体質の正体はこれです」と一つの原因に決める話ではなさそうです。

東洋医学には昔から「虚」という身体全体を捉える考え方があります。

一方、現代医学では、筋力、心肺機能、栄養状態、認知機能などを個別に評価しながら、フレイルのように「予備力が低下し、ストレスに対して脆弱になっている状態」を捉える考え方があります。

そこで今回、私が一番しっくりきたのが、余力・予備力・回復力(レジリエンス)という言葉でした。

元気なときには違いが見えなくても、忙しくなったり、病気になったり、年齢を重ねたりしたときに「余力」の違いが現れる。

私たちはそんな個人差を昔から、

「体が丈夫だね」
「昔から虚弱体質なんだよね」

と表現してきたのかもしれません。

もちろん、これは「虚弱体質」という言葉に新しい医学的定義を与えるものではありません。

ただ、漠然とした「体が弱い」という言葉を、

何の予備力が小さいのか?
どれくらい余力があるのか?
ストレスを受けたあと、どのくらい回復できるのか?

と考え直してみる。

今回調べてみて、「虚弱体質」の正体が一つ見つかったわけではありません。

むしろ面白かったのは、「虚弱体質」という一つの概念があることで、疲れやすい、食が細い、無理がきかない、回復が遅いといったバラバラの状態を、一つにつなげて理解しやすくなるのではないかと気づいたことでした。

そして現代では、それを心肺機能、筋力、栄養状態、睡眠、病気、予備力、回復力などにいったん分解して考えることができます。

包括する。分解する。そして、もう一度つなげてみる。

そうやって違う角度から眺めてみると、「虚弱体質」という昔からの言葉が、少し違って見えてくるのではないでしょうか。

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※本記事は「虚弱体質」という言葉について、東洋医学・現代医学の考え方を一般向けに整理したものです。「虚弱体質」を医学的な診断名として扱ったり、「予備力の低下」と同一視したりするものではありません。強い疲労や体力低下などが続く場合は、体質だけで判断せず医療機関に相談してください。







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