熱中症|熱中症の症状・対策・予防

熱中症の症状・対策・予防

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熱中症とは|熱中症の症状・対策・予防

熱中症とは、気温が高い状態が長く続くと、発汗して、水分や塩分が失われてしまい、また湿度が高いと、汗が蒸発せず、熱がこもったままの状態になった結果、体の中の熱が放出されなくなってしまう状態です。


「なぜ熱中症になるのか?」


「熱中症になったらどうすればよいのか?」


熱中症になりやすい環境や熱中症対策・予防についてまとめました。


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【目次】



熱中症の症状

1度(熱失神・熱けいれん、現場での応急処置で対応できる軽症)

熱失神

  • めまい
  • 立ちくらみ
  • 失神

熱中症になると、皮膚血管が拡張することによって、血圧が低下し、脳の血流が少なくなることによって、「めまいがする」「立ちくらみを起こす」「失神する」という症状を起こします。

また、脈が速くて弱くなり、「顔色が真っ青になる」「呼吸回数が増加する」「くちびるのしびれ」などもみられます。


→ なぜ熱中症になると「熱失神(めまい・立ちくらみ・失神)」という症状を起こしてしまうのか?|熱中症の症状


熱けいれん

  • 筋肉痛
  • こむら返り(手足の筋肉がつる)
  • 大量の発汗

高温多湿の環境で短時間に大量の汗をかき、水分補給を水だけを補給した場合に、「筋肉痛」「手足がつる」「こむら返り」「筋肉の痙攣」という症状を起こすことがあります。

汗の中には、水分だけではなく、電解質も失われており、血液中の塩分(ナトリウムなど)が失われると、血液の塩分(ナトリウム)濃度が低下した時に、足(大腿四頭筋、ハムストリング、ふくらはぎにおきやすい)、腕、腹などの筋肉に痛みを伴ったけいれんが起こります。


→ なぜ熱中症になると、熱けいれん(筋肉痛・手足がつる・こむら返り・筋肉の痙攣・大量の汗)という症状を起こしてしまうのか?


2度(熱疲労、病院搬送が必要な中等症)

熱疲労

  • 頭痛
  • 気分の不快
  • 吐き気
  • 嘔吐(おうと)
  • 体がだるい(倦怠感)
  • 虚脱感

大量に汗をかくことによって、水分と電解質が失われ、水分の補給が追いつかないと、身体が脱水状態になり、「めまい」「頭痛」「吐き気」「嘔吐」「倦怠感」「虚脱感」という症状を起こします。

その他にも、下痢や寒気、集中力や判断力の低下という症状が現れます。


→ なぜ熱中症になると熱疲労(めまい・頭痛・吐き気・嘔吐)の症状を起こすのか?


3度(熱射病、入院して集中治療が必要な重症)

熱射病

  • 意識障害(声をかけるなど呼びかけに反応しない)
  • けいれん
  • 手足の運動障害(まっすぐ歩くことができない)
  • 体に触ると熱いぐらいの高体温

熱射病は、高温多湿の環境で運動をすることなどによって体温が上昇し、体温が高くなる(40℃以上)になることで、脳の体温調整を行う機能に異常が起こり、体温調節ができなくなった状態です。


→ なぜ熱射病になると、体温が高い・意識障害・手足の運動障害・けいれん・おかしな言動や行動という症状を起こすのか?|熱中症の症状




なぜ、熱中症が起きるのか?

人の体は暑さを感じると、皮膚に血液を多く流したり、汗を出して体温を下げています。


血液には熱を運ぶ役割があり、皮膚を流れる血管を通る時に熱を外に出しています。


汗は体から蒸発する時に体の熱も一緒に放出しています。


これで人は体温を一定に保っているわけです。


しかし、気温が高い状態が長く続くと、大量に発汗して水分や塩分が失われ、血液中の水分を奪い、汗が出なくなったり臓器に流れる血流量に影響を与えます。


また、湿度が高いと、汗が蒸発せず皮膚の表面にたまり、熱がこもったままになることがあります。


こうしたことによって、熱中症の症状が引き起こされています。



熱中症の原因

人間には、体温をコントロールする機能があり、暑くなると汗を出して気化熱で体を冷やす作用があります。


しかし、その体温調節機能にトラブルが起きると、自律神経が乱れてしまい、血流障害が起こって、めまいや頭痛、吐き気などの熱中症の症状が起こります。


体温調節機能が働かなくなる原因は、脱水状態や睡眠不足、腸内環境の悪化が考えられるそうです。


腸内環境が悪化すると、体温調節機能に影響が及ぶ理由は、血液循環や消化吸収、呼吸などは自律神経によってコントロールされ、互いに影響を及ぼし合う関係にあるためなのだそうです。


【関連記事】

熱中症は脱水状態や睡眠不足、腸内環境の悪化などにより体温調節機能が働かなくなることが原因で起きる


●高血糖が熱中症の原因になることもある

実は、熱中症の原因は高血糖にもあるそうです。

高血糖が続くと、体が脱水症状を起こしてしまう恐れがあります。

血液中の糖が増えると、濃度を下げるため、水分が送られます。

高血糖が続くと、常に水分を送り続けることになり、体の水分が血中に送られ、脱水状態になってしまうのです。

そうなると、温度調節が上手くいかずに、熱中症になってしまう恐れがあります。

【関連記事】

夏の熱中症の原因は高血糖にもある!?|梅雨からの高血糖予防&熱中症対策にトマト|#その原因Xにあり



熱中症は自宅でも発症する!

熱中症といえば、外をイメージする人も多いと思いますが、実際は、緊急搬送された人のうち、自宅での発症が最も多かったそうです。


その理由としては2つ。


1.住宅の密閉性


今の住宅は密閉性が高く風通しが悪く、窓を閉め切り冷房を使わないと、室内は外気温以上に上がること。


2.高齢化


体温の調節機能が衰え熱中症になりやすい高齢者が室内にいる割合が高くなったこと。


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高齢者の熱中症、6割が自宅で発症している!?その理由とは?

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熱中症対策(応急手当)

熱中症になったら、どうすればよいのでしょうか?


熱中症になった場合の応急処置(一般人がする場合は応急手当)の方法についてまとめました。


(1)涼しい場所に移し、衣服をゆるめてリラックスさせる

建物が近くにない場合には日陰で休ませましょう。建物が近くにあればエアコンの効いた部屋で休ませましょう。


(2)首筋、脇の下、脚の付け根を(冷たいペットボトルなどを使って)冷やす

脈拍のとれる位置は血管が皮膚に近いため、そこを冷やすと、冷却された血液が全身を巡ることで、クールダウンします。


(3)顔が赤いときは頭を高く、青白ければ足を高くして寝かせる


(4)意識があり、嘔吐がなければ水分補給させる

水分だけでなく塩分などの電解質も失われていると考えられますので、水に塩分などの電解質と糖とがバランスよく配合された経口補水液を利用しましょう。


(5)皮膚が熱ければ、風を送ったり熱い部分にぬれタオルを当てる


(6)皮膚が冷たければぬれタオルをしぼり、冷たい部分をマッサージ


(7)意識がなかったり、急に体温が上がったらすぐ救急車を呼ぶ


熱中症の応急手当は次の順番を意識しましょう。


救急車を呼ぶ


→涼しい場所に運んで安静にする


→首筋、脇の下、脚の付け根など血管が皮膚に近い場所を冷やす


→水分補給



熱中症予防

水分補給


drinking

熱中症を予防するには、喉の渇きを感じる前にこまめに水分を取ることが大事です。


多くの人がのどがかわいてから水分を補給したら良いと考えがちです。


しかし、喉が渇いてからでは水分が失われすぎているということがあるようです。


特に高齢者は加齢によって自分で体の異変に気付きにくくなっています。


そのため、喉の渇きを感じる前に、こまめに水分補給をしましょう。


水分だけでなく塩分などの電解質も失われていると考えられますので、水に塩分などの電解質と糖とがバランスよく配合された経口補水液を利用しましょう。


■自宅でできる経口補水液の作り方

【材料】

  • 水 1リットル
  • 砂糖 20-40g
  • 塩 3g
  • レモン果汁 1/2個

経口補水液を飲みやすく感じるときは脱水状態だと考えてください。


【関連記事】

熱中症対策|経口補水液の作り方・インターバル速歩・牛乳|世界一受けたい授業

水だけ飲んでも熱中症の予防にならない!?

異常に喉が渇くのは実は病気のサインかも!?のどの渇きの原因とは?


エアコン


室温28度、湿度70%を超えたらエアコンを使いましょう。


暑さ指数(WBGT)のチェック


暑さ指数とは、単なる気温とは異なり、人体への影響が大きい1.湿度、2.日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、3.気温、の3つを取り入れた指標です。


※輻射熱は、建物や地面などから伝わる熱です。


湿度、輻射熱、気温のうち、最も大きな要素を占めるのが「湿度」です。


湿度が高いと、身体の熱を放出する力が弱まるため、気温が同じであれば、湿度が高いほうが、熱中症になりやすくなります。


基準は、危険、厳重警戒、警戒、注意、ほぼ安全の5段階に分かれています。


■日常生活に関する指針


温度基準 (WBGT) 気温 注意事項
危険 31℃以上 高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。 外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。
厳重警戒 31〜28℃ 外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。
警戒 28〜25℃ 運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。
注意 25℃未満 一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。

【関連記事】

熱中症予防のためにも、「暑さ指数(WBGT)」(環境省)をチェックしよう!

【参考リンク】

環境省熱中症予防情報サイト
http://www.wbgt.env.go.jp/


高齢者が周りにいる方は周囲のサポートが必要


高齢者は、主に加齢による体の衰えが原因で、熱中症になりやすいようです。


それは、気温の上昇に鈍感になり、脱水症状が始まっても自分で体の異変に気付きにくくなっています。


そのため、家族や周囲の人も異変に察知しにくく、救急搬送されるまで異変が分からないことも多いようです。


高齢者が周りにいる方は周囲の方による事前のサポートが必要になってきます。


また、高血圧糖尿病認知症など持病がある人も重症化しやすいので、注意してください。


暑熱順化


「暑熱順化(しょねつじゅんか)」とは、夏の暑さに耐えられる体になることです。


暑熱順化すると、体温の上昇を察知して汗をかき始めるタイミングが早くなるそうです。


暑熱順化させるポイントは、汗をかくことであり、軽い運動を一週間ほど行うと、暑さになれるそうです。


本格的な暑さになる前に、軽い運動を行なって、自力で汗をかくトレーニングを行ないましょう。


おすすめの運動は、「インターバル速歩」です。


信州大学大学院医学系研究科、スポーツ医科学講座の能勢博教授の研究チームが提唱しているインターバル速歩とは「速い」「普通」を交互に繰り返すウォーキングのことです。


普通のウォーキングと比べると、インターバル速歩をすると、体力が向上し、血圧、血糖値、中性脂肪BMIといった生活習慣病に関わる指標の全てで改善することが確認できているそうです。


■インターバル速歩のやり方

  • 「速歩3分」「普通歩行3分」を繰り返す
  • インターバル速歩をすることで、脚の筋肉を鍛えて、血液量を増やし、血液を全身に送ることができます
  • 早歩きの時は、息が弾む程度の速度で大股で歩く
  • 自分の最大運動能力の70%ぐらい、10分続けると汗ばむ、20分だとすねの筋肉が痛くなる程度の強度
  • 1日30分を目安に


運動後に必要なのは、糖質とたんぱく質(アミノ酸のもと)。


糖質とたんぱく質がバランスよく補給される飲み物としては、「牛乳」があります。


牛乳に含まれる栄養素(たんぱく質・糖質)が肝機能を高め、血液量を増やし、汗をかきやすくなります。


牛乳を飲むときには、インターバル速歩の1時間以内にコップ一杯(200ml)を飲むようにしましょう。


インターバル速歩の後には、エネルギーとなるグリコーゲンが消費され、また筋肉組織が傷んでしまいます。


そこで、アミノ酸のもととなるタンパク質を摂取すると、運動で痛んだ筋肉をしっかりと補修ができ、また、同時に糖質を摂取するとブドウ糖に分解され、エネルギーを効率よく補充すると同時に、筋肉へのアミノ酸輸送をサポートします。


しっかりと運動した後には、しっかりと栄養を補給しましょう!


ポイントは、「運動後の60分以内」ですよ。


【関連記事】

インターバル速歩で老化防止!|インターバル速歩とは・インターバル速歩のやり方

熱中症にかかりにくくなる「暑熱順化」とは

熱中症を予防するには5月から運動+糖質とたんぱく質を含む食品を摂取して、暑さに強い体作りを行ないましょう


腸内環境を整える


乳酸菌を含んだ発酵食品(ヨーグルトやキムチ、納豆など)や食物繊維が豊富な野菜を意識して食べて腸内環境を整えましょう。


→ 乳酸菌の多い食品 について詳しくはこちら


→ 食物繊維の多い食品|水溶性食物繊維・不溶性食物繊維 について詳しくはこちら


おすすめの組み合わせは、「ヨーグルト」+「大根おろし」+「はちみつ」。


  • ヨーグルト(善玉菌であるビフィズス菌の増殖を助ける)
  • はちみつ(ビフィズス菌の餌となるオリゴ糖)
  • 大根(水溶性食物繊維でビフィズス菌の育つ環境を作る)


【レシピ】

  • ヨーグルト 200g
  • 大根おろし 大さじ2
  • はちみつ 大さじ2


【関連記事】

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また、ご飯を食べた後は腸を休めたり、日ごろからウォーキングなどの運動を行ないましょう。





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